饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏(221)

アラブの王室が「天皇陛下」に注ぐ「尊敬の念」

西川恵
執筆者:西川恵 2016年10月17日
エリア: 中東 日本
この写真に世界が感嘆した

 

 前回この欄で、訪日したサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子に対する安倍晋三首相の厚遇について書いた(2016年9月14日「親日『サウジ副皇太子』へ安倍首相『異例の厚遇』」)。実はムハンマド副皇太子に絡んでもう1つ触れておきたいことがある。それはアラブの王室の日本の皇室に対する深い尊敬の念である。

 

世界が称賛した写真

 副皇太子は8月31日から9月3日まで日本に滞在し、9月1日、天皇陛下は皇居・御所で副皇太子と会見した。

 会見で天皇陛下が「東日本大震災の際にお見舞いをいただいたことに感謝します」と述べると、副皇太子は「それは我々の義務です。日本は極めて重要なパートナーなので、困っているときにはそばに寄り添うのが真の友人です」と語った。

 会見は御所の一室で行われたが、この時の写真がフェイスブックやツイッターなどを通じて世界で大きな反響を呼んだ。何の飾り気もない部屋で、装飾といえば草花を活けた花瓶が1つあるだけ。障子から明かりが差し込む凛とした気品ある空間の中で、天皇と副皇太子が向かい合い、言葉を交わしている。

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執筆者プロフィール
西川恵
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、論説委員を経て、今年3月まで専門編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、本誌連載から生れた『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。本誌連載に加筆した最新刊『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)が発売中。
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