南スーダンの首都ジュバで、訓示を受ける陸上自衛隊第11次隊[防衛省提供](c)時事

 南スーダンでは、不穏で緊迫した状況が続いている。政権を握る大統領派と前副大統領派の武装勢力が衝突しているだけでなく、各民族の反政府勢力も武装しており、複雑な対立構造となっているのだ。

事件が頻発している南スーダン情勢

 3月25日には、援助関係者である非政府組織(NGO)の職員6名が、首都ジュバから東方のピボルへの移動中に襲撃されて全員が死亡。その前の15日には中部で人道支援の車列が襲われて国際移住機関(IOM)職員ら5名が死傷している。さらに12日には、南部のイエイで国連職員が戦闘に巻き込まれそうになり、国連平和維持活動(PKO)に参加している中国軍部隊が、ホテルにいた職員7名を救出して保護した、という事件も発生している。

 こうした状況を国連も憂慮しており、グテーレス事務総長は23日に開かれた安保理事会閣僚級会合で、南スーダン政権が問題を解決しようとせず支援を妨害している、と厳しく批判している。

 そんな中での、5月末の自衛隊施設部隊撤収である。本記事(上)でも触れたが、“護憲派”の一部からは、「自衛隊員の命が守られた」と、この決定を歓迎する声が上がっている。

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