日本の「PKO」再考(上)「仮想空間」に送り込まれた自衛隊

伊勢崎賢治
執筆者:伊勢崎賢治 2017年3月27日
エリア: アフリカ 日本
3月10日、南スーダンのPKOに派遣した陸上自衛隊部隊を撤収させる方針を発表する安倍晋三首相 (c)時事

 それはあまりにも唐突に見えた。3月10日夕方の、安倍総理による南スーダンPKO(国連平和維持活動)撤収発表だ。

 しかも、総理はその後国会で、撤収については昨年9月から検討を始めていた、と答弁した。筆者は、防衛省関係者から現場の自衛隊の焦燥感ゆえのこの動きを感じ取っていたが、静かな怒りを覚えた。9月から撤収の検討を始めたのなら、なぜ、11月に交代の部隊を出発させたのか。そしてなぜ、その部隊をわずか半年で撤収させるのか。政府は単に、「駆けつけ警護」という新任務を付与した部隊を派遣した、という実績だけを作りたかっただけではないのか――そう思えてならないのだ。

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執筆者プロフィール
伊勢崎賢治 東京外国語大学大学院教授。1957年東京生まれ。内戦初期のシエラレオエネを皮切りにアフリカ3カ国で10年間、開発援助に従事し、その後、東ティモールで国連PKO暫定行政府の県知事を務め、再びシエラレオネへ。同じく国連PKOの幹部として武装解除を担当し内戦の終結に貢献する。その後、アフガニスタンにおける武装解除を担当する日本政府特別代表を務める。著書に『新国防論 9条もアメリカも日本を守れない』(毎日新聞出版)、『本当の戦争の話をしよう:世界の「対立」を仕切る』(朝日出版社)、『日本人は人を殺しに行くのか:戦場からの集団的自衛権入門』(朝日新書)、『武装解除』(講談社現代新書)など。最新刊に『テロリストは日本の「何」を見ているのか』(幻冬舎新書)。
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