シュレーダー元首相のガスプロム取締役指名など、ノルドストリーム2は一筋縄では行かない独ロ関係の焦点となっている  ©︎REUTERS/Maxim Shemetov/File Photo

[ベルリン(ロイター)]昨年、ドイツ人政治家が、ロシアのエネルギー会社ガスプロムと共同で、州政府の支援を受けた財団を立ち上げた。ロシアの天然ガスをヨーロッパに送る予定のパイプライン「ノルドストリーム2」がアメリカによる制裁の影響を受けないようにするためだ。

   総額110億ドル(約1兆2650億円)超のパイプライン計画に関して、果たして米独の思惑は一致しているのか? NATO(北大西洋条約機構)を率いる二大民主主義国家がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と駆け引きするなか、ドイツ政治家たちの動きは、この極めて重要な問いへの答えをさらにわかりにくいものにしている。

   2019年、アメリカはパイプラインの建設に関わった者を制裁の対象とした。その理由は、パイプラインはロシアがウクライナへの攻撃を強める道具になるから、というものだった。パイプラインはほぼ完成しているが、天然ガスの輸送はまだ始まっていない。

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