インド、ジャリア炭田で石炭積み込み作業員として働く女性たち[インド東部ジャールカンド州=2022年11月10日](C)Reuters/Tanmoy Bhaduri

[ニューデリー発(トムソン・ロイター財団)]30代でヒンディー語と英語の修士号を持つ教師、ピンキー・ネギは、以前勤めていたヒマラヤの麓にある公立学校での仕事を気に入っていた。しかし、彼女は毎年何百万人ものインド人女性がそうしているように、結婚して子供ができるとキャリアを諦めた。

「自分の手で稼いでいないことが一番苦しく感じるのは、些細なことでも人に頼らなければならない時だ」とネギは言う。彼女は一時、家庭教師をやってみたこともあるが、第2子の出産を機に仕事を完全に断念した。

「たとえ相手が夫だとしても、誰かに頼むことに変わりはない」。彼女は女性の就職を支援する組合団体「自営業女性協会」(SEWA)の事務所で、ニューデリーのトムソン・ロイター財団に語った。

 ネギの体験は珍しくない。アジア第3位の経済大国であるインドでは、高度成長期にもかかわらず、女性の離職が進んでいる。

 国連は、インドの人口が4月14日に14億3000万人に達し、中国を抜いて世界で最も人口の多い国になると予測している。エコノミストたちは、「生産年齢人口が最も多いインドは、世界最高水準の成長を維持するために、雇用を増やすだけでなく、女性に有利な雇用条件を整備する必要がある」と指摘する。だが、教育水準の向上、健康状態の改善、出生率の低下、女性に向けた労働政策の採用などにもかかわらず、働いている、あるいは積極的に仕事を求めているのは、インド人女性の3分の1以下だ。

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