社長CEOとCOOの力関係は逆転していたという[新型エクストレイルを発表するグプタCOO(左)と星野朝子・執行役副社長=2022年7月20日](C)時事

 日産自動車は、ナンバー2のアシュワニ・グプタ代表執行役COO(最高執行責任者)が6月開催の定時株主総会で退任すると発表した。退任の理由について日産は「任期満了のため」とのみ説明しているが、一部では内田誠社長CEO(最高経営責任者)との確執も取り沙汰されている。

 インド出身のグプタ氏は、ホンダのインド現地法人を経て2006年にルノーに入社、ルノーと日産のアライアンス業務も担当してきた。2019年4月に三菱自動車の経営再建を託されてCOOに就いたが、すぐに親会社・日産のトラブルに巻き込まれる。

 カルロス・ゴーン氏の不正追及を主導した日産の西川廣人社長CEOが自身の報酬に関する不正で辞任し、その後継候補3人のうちの1人がグプタ氏だった。結局、日産の指名委員会は、内田誠氏を社長CEO、グプタ氏をCOO、そして日産生え抜きの関潤氏を副COOとする「トロイカ体制」人事を内定。3人は2019年12月に就任したが、関氏はそれから1カ月も経たぬうちに辞任、日本電産(現・ニデック)に移っている(その後、2022年9月に日本電産を辞任)。関氏はナンバー3に追いやられたことに反発したとも、ルノーの言いなりの内田氏に失望したともされている。

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