G20首脳会談のため訪印したジョー・バイデン米大統領(左)とナレンドラ・モディ印首相 9日、ニューデリー (C)AFP=時事

 

 G20の議長国であるインドの国際エネルギー市場における存在感が高まっている。米中対立や西側と中露の対立が深まり、グローバルサウスの重要性がクローズアップされる中、G20の議論の行方そのものに世界の関心が集まり、議長国としてのインドの手腕やリーダーシップが注目される。

 エネルギー問題においても、巨大市場となったインドの動きは注目の的である。2022年、インドは一次エネルギー消費量において中国、米国に次ぐ世界3位に位置し、石油消費では米国、中国に次ぐ3位、石炭では中国に次ぐ2位の巨大消費国である。

 絶対値としての消費量では、一次エネルギー消費で中国の5分の1強であり、依然としてその差は大きい。しかし、中国のエネルギー消費が鈍化の兆しを見せ、長期的には人口減少経済減速によって低下していくことが予想される中、インドのエネルギー消費量は今後も堅調な増加が続く、と見る向きが世界の大勢を占めている。弊所の「IEEJアウトルック2023」のレファレンスシナリオでは、2020年から2050年までのインドのエネルギー消費増分だけで、世界全体の増分の35%を占める見通しとなっている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。