湾岸諸国は世界最大の在外インド人コミュニティを擁している[IMEC構想を発表した(左から右へ)ムハンマド・サウジ皇太子、モディ印首相、バイデン米大統領ら=2023年9月9日、インド・ニューデリー](C)AFP=時事

 欧米中心の国際秩序が揺らぎを見せる中、秩序形成の主導権を握るためにはグローバル・サウス諸国からの支持を得ることが今後ますます重要になってくるのは衆目の一致するところであろう。そのような中、8月下旬のBRICS首脳会合、そして9月上旬のG20の場において、中東諸国を取り込もうとする動きがそれぞれで顕在化したことは、現下の地政学情勢における中東の位置づけを理解する上で興味深いものとなった。

BRICS拡大に23カ国から関心表明

 8月22~24日に南アフリカで開催されたBRICS首脳会合において、2024年1月から新たに6カ国――アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)――の加盟を正式に認めることが発表された。BRICS拡大は昨年から話題を呼んでおり、今回の首脳会合で拡大が実現したことに大きなサプライズはない。しかし、新たに加盟する6カ国のうち、中東地域から4カ国も選ばれたことは多少の驚きをもって受け止められたように思う。

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