風光明媚な観光名所、バルボア・パークにはためくウクライナ国旗と星条旗(筆者撮影)

 移民の国、アメリカ合衆国。17世紀にイギリスを中心としたヨーロッパ西部から、新生活を求めた人々が海を渡った。人数を確定するのは難しいが、最初のウクライナ人グループが当地に降り立ったのは1870年代と伝えられる。そして今日、アメリカには永住権を持たない人も含め、150万を超えるウクライナ人が暮らす。

 筆者の住居があるカリフォルニア州南部、サンディエゴのウクライナ人コミュニティーの数は、およそ1万人。この人たちもまた、チャンスを求めてアメリカに移住した。2022年2月24日のロシアによる祖国への全面侵攻以来、彼らはサンディエゴの観光名所、バルボア・パークに毎週土曜日の15時に集い、平和を訴えている。

 取材に訪れた日の参加者は52名。ウクライナ人、ウクライナ系アメリカ人、その他アメリカ人等だ。

「プーチンは核を用いたテロリストだ!」「ロシアはテロリスト国家」「戦争を止めろ」「大量虐殺を止めろ」「戦争は終わっていない。ウクライナよ、武装せよ!」なるプラカードが並べられ、ウクライナ国歌を斉唱し、ウクライナの伝統的な歌を合唱した。6名が参加者を代表して順番に登壇し、平和への祈りやプーチンに対する抗議、犠牲になった人々への思いをスピーチした後、10メートルはあろうかという巨大なウクライナ国旗を20名弱で持ち、公園内を行進した。

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