「中東通信」の更新がひと月ほど滞ってしまった。実は何度か中東通信向けに記事を書いたのだが、そのたびに、短信で海外メディアのニュースを転送・解説するという趣旨に合わないほどの分量を書いてしまって、「中東の部屋」に移すことになってしまった(「『チラン海峡』に架ける橋:サウジ・エジプト・イスラエルの地政学「『ムハンマド副皇太子』に揺れたサウジの1年」)。それぐらい、今の中東は、日々に生じてくるニュースのが一つ一つが意味深く、いちいち歴史に遡って、あるいは国際政治全体に関係づけて論じる価値がある。

そしてこの一か月、『フォーサイト』連載のスピンオフ企画で、新潮選書の一冊として、中東政治・歴史論を書き下ろしていた。そのために没頭していたため、日々のニュース解説の間が空いてしまった。中東ニュースの紹介を楽しみにしていた読者の皆様にはお詫びしたい(「中東通信」の欄はかなりマニアックだが・・・)。

新潮選書からはすでに、『フォーサイト』の月刊誌時代から続く連載の一部を『中東 危機の震源を読む』として刊行して、かなり多くの読者に手に取ってもらっている。

今回は、前々から温めていた企画の一部として、「ブックレット」のスタイルで、一つのテーマを掘り下げて、薄めの一冊にしてみた。ただし選書の形で、少し踏み込んだ内容を盛り込んでおいた。

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