「サイクス=ピコ協定」から百年――中東問題の困難さを掘り下げる
2016年5月10日 21:59
「中東通信」の更新がひと月ほど滞ってしまった。実は何度か中東通信向けに記事を書いたのだが、そのたびに、短信で海外メディアのニュースを転送・解説するという趣旨に合わないほどの分量を書いてしまって、「中東の部屋」に移すことになってしまった(「『チラン海峡』に架…
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ガザ紛争の引き金となったハマースによる対イスラエル越境攻撃の「10月7日」から、1年が経った。事態はどこまで進んだのか。 昨年10月2日に『Foreign Affairs』に発表されていたサリバン米国家安全保障問題担当大統領補佐官による論稿「アメリカのパワーの諸源泉(The Source…
10月7日以降のガザ紛争の展開によって、パレスチナ問題が「イスラエル問題」に転化した、と昨日掲載のこの欄に記した。 それと同時に、イスラエルの内政・外交があまりにも米国の内政・外交と直結しているため、ガザ紛争の帰趨に影響を及ぼす要因が、結局のところ「米・イス…
「10月7日」から8カ月が経った中東をめぐる国際政治において、それ以前と異なるのは、かつて「パレスチナ問題」とされていたものが影を潜め、代わりに「イスラエル問題」として、国際政治の課題の一つとして急浮上してしまっているということである。 なぜそのようなことが起…
2023年10月7日を皮切りとしたガザ紛争の顕著な側面は、情報戦が、多大なフェイクニュースの流布を伴って行われ、しかもそれが、普段なら世界の中で相対的に高い信頼度を保っているはずの米主要メディアによって行われることだ。 昨日6月12日の朝7時に「「10月7日」以後の中東…
ハマースによる10月7日のイスラエル領内への越境攻撃は、何を目的として行ったのだろうか。ハマースの側の証言も記録も得られない以上、確定的なことは言えない。しかし事件直後から、次の二つの説が西側のメディアでは事実であるかのように語られた。 第一は、「ハマースは…
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