KRGのキルクーク喪失でロシアの懐は痛まない

執筆者:池内恵2017年10月21日

キルクークをめぐるKRGとイラク中央政府の紛争について、ここのところの激変を注視しているが、「中東の部屋」ではKRGの油田開発へのロシア国営石油会社の進出について記してあった。その後、キルクークがイラク中央政府の支配下に入ったことで、ロシアのKRGとの契約はどうなるのか。ロシアの「権益」はどうなるのか。

これについてエネルギー・アナリストの岩瀬昇さんが、個人ブログで、専門家の観点から多くを補足してくださっており、大いに蒙を開かれた。私としても、石油開発に関与したり投資したりするにしても、色々な程度・段階があるということはなんとなく分かっており、しかしロスネフチのKRGとの契約の詳細を読み解く能力もないのでモヤモヤしていた。それを「探鉱」「開発」「生産」に分けて解説していただいたので、少し目の前の霧が開けた気になっている。

岩瀬昇のエネルギーブログ ♯378 恐るべし、地政学国家ロシア

この解説によれば、ロスネフチは現時点で実際に資金が出ていく契約にはなっていないようで、カントリー・リスクを踏まえた巧みな関与を行ってきたようだ。

岩瀬さんはフォーサイトの執筆者でもあり、過去の記事はかなり好評を博したと聞いている【】【】。著作の書評も掲載されている。

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