サウジのエネルギー政策の行方を読むには

執筆者:池内恵2018年8月24日

先ほどロイターによるサウジアラムコのIPO断念についての報道を取り上げたが、サウジアラムコの動きやサウジのエネルギー政策の行方、それを通じたサウジの将来展望については、私としても、岩瀬昇さんの「エネルギーの部屋」欄での怒涛のような更新に、ただ目を奪われている。

例えば『フォーサイト』の検索欄で「アラムコ」と打ち込むと、岩瀬さんの記事が次々に出てくる。

「「サウジアラムコ」の株式公開は2019年に延期されるのか」岩瀬昇 2018年3月12日

「「サウジアラムコ」の企業価値は「2兆ドル」及ばずと断定した『Financial Times』」岩瀬昇 2018年4月14日

「「サウジアラムコ」内部評価でも企業価値「2兆ドル」には及ばず」岩瀬昇 2018年4月23日

そして、岩瀬さんが指摘していたように、サウジアラムコのIPOの断念は、ムハンマド皇太子の謎の「不在」の期間、つまりクーデタ未遂報道も一部で出た4月21日のリヤードの王宮付近でのドローン撃墜騒ぎから、6月14日にロシアでサッカー・W杯の開幕戦という機会にプーチン大統領と共に公の場に姿を表すまでの間の、ムハンマド皇太子が公の場から長期間姿を消した期間と、何らかの形で結びつけて議論されて行かざるを得ないだろう。

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