独立の父ホセ・アリティーガスの銅像が建つ独立広場(筆者撮影、以下同)
 

 

 南米ウルグアイの首都・モンテビデオに行くには、アルゼンチンのブエノスアイレスから「海路」で入るのがもっとも便利である。海路と書いたが、正確には「川路」。ブエノスアイレスは、南米有数の大河・ラプラタ川の全幅270キロという馬鹿馬鹿しいほど広大な河口域の南側にある。その対岸、北側にあるのがモンテビデオだ。

 早朝にブエノスアイレスを出発して2時間あまり高速船に乗りながらウトウトしていると、いつの間にか、モンテビデオの港に高速船が滑り込んでいた。目の前に広がっているのは、これが海路か川路かなどどっちでもよくなる世界で、「珠江デルタ」の河口域にある香港やマカオ、深圳を船で移動する感覚と似ている。

引っかかった入国審査

 1日に複数の船会社が数便の高速船を運行しているほど頻繁な往来があるので、ブエノスアイレスにも、モンテビデオにも、双方の入国管理官が駐在し、出入国の手続きが出発時に済んでしまう。便利な仕組みなのだが、帰路にモンテビデオから出国するとき、アルゼンチンの入国審査に引っかかった。私の旅券が係員から上司に回され、上司に真剣な顔で質問された。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。