世界漫遊「食考学」の旅 (4)

【ウルグアイ・モンテビデオ】航空機事故「アンデスの奇跡」と人肉食

執筆者:野嶋剛 2018年9月28日
エリア: 中南米
独立の父ホセ・アリティーガスの銅像が建つ独立広場(筆者撮影、以下同)
 

 

 南米ウルグアイの首都・モンテビデオに行くには、アルゼンチンのブエノスアイレスから「海路」で入るのがもっとも便利である。海路と書いたが、正確には「川路」。ブエノスアイレスは、南米有数の大河・ラプラタ川の全幅270キロという馬鹿馬鹿しいほど広大な河口域の南側にある。その対岸、北側にあるのがモンテビデオだ。

 早朝にブエノスアイレスを出発して2時間あまり高速船に乗りながらウトウトしていると、いつの間にか、モンテビデオの港に高速船が滑り込んでいた。目の前に広がっているのは、これが海路か川路かなどどっちでもよくなる世界で、「珠江デルタ」の河口域にある香港やマカオ、深圳を船で移動する感覚と似ている。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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