世界漫遊「食考学」の旅
(22)
【沖縄・与那国】「国境の西」台湾を望む島でカジキを食う

脂の乗ったカジキのソテー(筆者撮影、以下同)
村上春樹の恋愛小説『国境の南、太陽の西』のタイトルのもとになったのが、アメリカの南側にあるメキシコのことを歌ったナット・キング・コールの名曲『国境の南』である。
東京から最も遠い離島の1つ、沖縄県の与那国島。さとうきび畑に囲まれた小さな空港に降り立った時、思い出したのは「国境の西」にある台湾のことだ。与那国は日本最南端ではなく(最南端は波照間島)、最西端にあたる。それから西に、日本の領土はない。与那国で見届ける夕焼けは、日本でその日に見られる最後の太陽になる。

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