【クロアチア・ドゥブロブニク】牡蠣で思い出す虐殺の目玉(上)
2018年12月7日

「牡蠣に目がない」という野嶋さん
旅にはギャンブル的な要素がある。金と時間と手間がかかり、旅先が遠ければ遠いほど、その運の重みは増してくる。そして旅先では、訪れる前に抱いたイメージが裏切られることがしばしばある。期待をしていないのに大当たりの場合もある。逆に、期待していたのにがっかり、ということもある。
私にとってクロアチアという国は、正直、ハズレであった。
物価が周辺国の1.5倍
首都ザグレブの物価は、バルカン半島の周辺国に比べて1.5倍ぐらいに跳ね上がっていた。ザグレブから飛行機で1時間ほど南東に行くと、隣国ボスニア・ヘルツェゴビナに隔てられた飛び地、ドゥブロブニクがある。アドリア海に面した観光都市で、この街に入ると、さらに物価が上がった。
500ミリリットルのペットボトルに入ったミネラルウォーター1本が300円。食事も、ビールとサラダ、パスタで3000円は下らない。味自体もそれほど優れているというわけではない。コスパが一気に下がって、日本の江の島やお台場でご飯を食べているような気分になった。
先般のサッカーワールドカップで、クロアチアは見事な準優勝に輝いた。それを機に世界中から観光客が集まるようになった分、クロアチア人の態度もたいそう強気で、観光客をぞんざいにあしらう面もあった。それでも、ドゥブロブニクの街角には韓国、中国、そして日本から来たアジア人の姿も少なくなかった。
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