世界漫遊「食考学」の旅
(9)
【クロアチア・ドゥブロブニク】牡蠣で思い出す虐殺の目玉(上)

「牡蠣に目がない」という野嶋さん
旅にはギャンブル的な要素がある。金と時間と手間がかかり、旅先が遠ければ遠いほど、その運の重みは増してくる。そして旅先では、訪れる前に抱いたイメージが裏切られることがしばしばある。期待をしていないのに大当たりの場合もある。逆に、期待していたのにがっかり、ということもある。
私にとってクロアチアという国は、正直、ハズレであった。
物価が周辺国の1.5倍
首都ザグレブの物価は、バルカン半島の周辺国に比べて1.5倍ぐらいに跳ね上がっていた。ザグレブから飛行機で1時間ほど南東に行くと、隣国ボスニア・ヘルツェゴビナに隔てられた飛び地、ドゥブロブニクがある。アドリア海に面した観光都市で、この街に入ると、さらに物価が上がった。

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