対する台湾の蔡英文総統は「一国二制度は絶対に受け入れない」と拒否したが……(C)AFP=時事

 

 2018年8月、台湾国防省は『中共軍事力報告』で、現段階では中国軍は後方補給能力や上陸の船艇が不足しているが、2020年までに「全面的な(台湾への)侵攻能力の完成を目指している」と分析した。

 台湾の分析を待つまでもなく、最近の米国防当局の懸念は急激に増している。

「民心を買おうとは思っていない」

 米国防総省の国防情報局は今年1月に入り、中国軍の能力などを分析した報告書『中国の軍事力』を発表した。

 報告書では、「中国は台湾の統一を視野に、東アジアでの覇権確立を目論んでいる」とした上で、「中国は他国軍が台湾に介入するシナリオを想定し、他国軍を排除するためのシステムを発展させている」「軍事力で台湾の独立運動を防ぎ、これに失敗すれば、台湾と軍事介入する他国軍に対し軍事的選択肢を採ることができると期待している」と、中国軍の意図を描いている。

 さらに報告書では、筆者が「世界初『月の裏着陸』中国が狙う『宇宙制覇』最前線」(上)(下)(ともに2019年1月9日)で指摘した新兵器「極超音速滑空飛翔体」などに言及し、「中国軍は世界最先端兵器を配備する目前の状態にある」「一部の分野ですでに世界に先行している」とも指摘し、警鐘を鳴らしている。

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