【ミャンマー】茶を「食べ」ながらスー・チーを語る人々
2019年4月12日

お茶を食べる「お茶受け」(筆者提供、以下同)
滞在中、何度、ミャンマーの茶店で時間を潰しただろうか。
海外出張の取材というのは、なかなか骨が折れる仕事だ。日本であれば、取材を終えたら自宅に戻ったりして休憩できる。しかし出張先だと、取材と取材との間が空いてしまったとき、どこかで時間を潰すしかない。とはいえ、都合よく体を休めてくつろげる場所があるかというと、そうではない。特に海外では、居心地のいいカフェを探すだけで一苦労だ。
その点、ミャンマーではまったくと言っていいほど、苦労しなかった。それは街の至るところに、ほとんどブロックごとに、大なり小なりの茶店があるからだ。
ミャンマーの茶店はだいたい半露天で、低めの椅子に低めのテーブルが置かれている。朝から夜まで開いていて、ちょっとした食事もできる。お茶だけでずっと粘っても何も言われない。何も注文しないで座っているだけの人もたまにいる。その開放性は、他者を穏やかに迎えるミャンマーの人たちの優しさを体現しているようでもある。
茶店はビルマ語で「お茶を出す店」という意味の「ラペッ・イエー・サイン」と呼ばれる。「ラペッ」がお茶、「ラペッ・イエー」は紅茶のミルクティー、「サイン」は店だ。しかし、紅茶のミルクティーもあるにはあるが、茶店で供されるのは基本的に緑茶だ。
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