第4次中東戦争が、イスラエルの大きな転機となった(中央・前線を視察するダヤン国防相=当時)(C)AFP=時事

 

 ここまで説明してきたような、常に国家の存亡がかかっているような状態では、国民はみんなびくびくしているわけです。私が最初にイスラエルに行ったのは1970年代なのですが、当時はバスやタクシーに乗ろうがスーパーマーケットに行こうが、ずっとラジオがつけっぱなしでした。それは、イスラエルをとりまく状況がどうなっているのかを、国民が常にわかっていなければならない、なぜなら、いつ動員がかけられるかわからないわけですから。私が訪れたのは、そうした非常に大きな社会的な緊張状況が続いていた最後の時期でもありました。

 しかしながらそれは、1967年の第3次中東戦争である程度緩和されます。

 当時、エジプトのガマール・アブドゥル=ナセル大統領がアラブ側の総指揮官になり、シナイ半島の停戦監視任務を遂行中の国連緊急軍を撤退させるなどして、あとはイスラエルに攻め込むだけという状況を作っていました。

 ところがそこにイスラエル側が「予防先制攻撃」を仕掛けて、アラブ側の航空戦力をまず潰すわけです。給油され、爆弾も積んだ飛行機を上から叩くわけですから、壊滅するわけですね。

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