イランによるとされるロケット弾攻撃を受けた、イスラエルの占領地ゴラン高原 (C)AFP=時事

 

 イスラエルが抱える政治課題ということでもう1つ申し上げると、第1期ではイスラエル国家の安全と同時に国家の中身、つまり「国民」を作らなければなりませんでした。そこで、外に住んでいるユダヤ人であれば帰ってきたら誰でも前提条件なく市民権をもらえます、という帰還法を用意したわけです。

国内にあるさまざまな矛盾や格差

 先にユダヤ人市民と非ユダヤ人市民との間の対立について説明しましたが、実は同じユダヤ人市民の中でも違いがありました。欧米から帰ってきた人と、中東とかアジアといった、非欧米から帰還した人との間には明らかに格差があり、この格差をどうするかという問題があったのです。

 もっとも第2期になりますと、この問題は次第に相対化されていきます。アシュケナージと呼ばれる欧米系と、スファラディとかミズラヒムと言われる非欧米系との間での通婚がだんだんと進み、建国第2世代第3世代になっていくと、格差は割合に相対化されていったのです。

 その次の時代には、また新たな問題が出てきます。イスラエルという国家を作ったのは労働党系の人たちで、「社会主義シオニズム」といわれるようなものを作った。これを推進したのは、ロシアやウクライナなどから旧ソ連のイデオロギーを持ちこんだ人たちなんですね。「キブツ」とか「モシャブ」という組織はご存じだろうと思いますが、これらは完全に旧ソ連のコルホーズやソフォーズのイスラエル版、ということになりますね。

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