「電子マネー」でないリブラ「仮想通貨」としての「重要性」
2019年9月26日
Facebookが発行を計画している「リブラ」は、ブロックチェーンで運営される仮想通貨だ。さまざまな面で電子マネーより優れた特性を持っている。現存の金融システムに対する重大な脅威となる可能性があるのは、このためだ。
電子マネーは銀行システムの中にある
「リブラが重要視される第1の理由は、利用者の規模がきわめて大きくなりうることだ」と、第1回で述べた。
第2の理由は、「リブラは電子マネーではなく、仮想通貨だ」ということだ。この違いは重要だ。
しかし、この点は、必ずしも十分に理解されていない。そこで、これについて説明しよう。
電子マネーと仮想通貨は、キャッシュレスの決済手段という点では同じだが、その仕組みは本質的に異なる。
現在ある電子マネーの主流は、QRコード決済方式のものだ。中国のアリペイやウィーチャットペイがそうだし、日本のPayPayやLINE Pay、楽天ペイ、Origami Payなどもそうである。
これらは、簡単にいえば、銀行預金からの引き落としを簡単にするための手段に過ぎない(非接触IC決済方式であるSuicaなどの場合には、カードに入金した金額の引き落とし)。
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