肉まん「習金平」セット(筆者提供、以下同)

 

「日本の肉まんを初めて見た」という中国人は、いつも驚くのである。日本人は体が小さいのに、なんと大きな肉まんを食べるのだろうか、と。

 それもそのはずで、中国で「包子(バオズ)」と呼ばれる肉まんは、日本のそれと比べてサイズ的におよそ半分ぐらい。日本人が肉まんをおやつのような間食として食べるのに対して、中国人の場合は、1つの食事のメニューとして複数個の包子を食べている。

 私ははっきり言って日本の肉まんより中国の包子のほうが好きだ。というのも、包子と一緒におかずやスープを注文する「食事」ができるからだ。

 まずは運ばれてきた包子を半分ほどガブリと食べてしまう。ここで中身の肉はぜんぶ食べてしまってよろしい。残った皮の隙間におかずを詰め込み、また食べる。それでも皮があまったら、酢醤油をつけたり、スープに浸したりして、さらに食べる。

 つまり、包子の良さは、皮を主体に、中身の餡やおかずたちとコラボさせながら食べられるところにある。

 日本の中華レストランでは、肉まんを注文できないところが多い。横浜の中華街に行くと、子供の頭ぐらいの大きさがある巨大な肉まんも売っている。これはこれで美味しいのだが、料理という感じではない。

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