こういう状況の中国だけに経済的影響は大きそうだが……(C)AFP=時事
 

 エネルギー市場は、新型コロナウイルスの蔓延が経済に、ひいてはエネルギー消費にどのような影響を与えるのかに注目しているため、ほとんど関心を引かなかったが、中国は2月18日、1月中旬の米国との「第一段階合意」に沿い、原油(5%)とLNG(液化天然ガス、25%)にかけられていた追加関税を3月から撤廃すると発表した。

 1月15日の合意発表直後は、追加関税の撤廃が明言されていなかったことに加え、原油についてはロジスティックスおよび品質のミスマッチの問題から、果たして中国は輸入増を実現できるのだろうか、と疑問視された(2020年1月23日『米中「第一段階合意」でも「エネルギー取引」に大いなる疑問』)。

 さらにLNGについても、米国のみならず数多くの新規設備が徐々に立ち上がってきており、市場は供給過剰状態にある現状から、25%の追加関税が完全に撤廃されたとしても輸入増が実現できるのだろうか、との指摘がなされていた(2020年1月23日『続・米中「第一段階合意」:「LNG輸出業者」必至の苦闘』)。

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