「コロナ期」と「コロナ後」の経済運営

執筆者:野口悠紀雄2020年4月23日
リブラ公式HPより

「コロナ期」には、巨額の財政支出を行って、民間経済を支える必要がある。

 それによって増大する財政赤字を、「コロナ後」に処理する必要がある。

 コロナ財政は戦時財政と似た面があるが、マクロ経済環境が異なるので、「コロナ後」にインフレが生じる可能性は低いだろう。

いま必要なのは「繋ぎ」

 現在の経済の基本的状況は、経済活動のかなりを半強制的に止めたということだ。しかし、その間、生活は続けなければならない。これを両立させるためには、家計と企業が支払い手段(マネー)を持ち続けることが必要だ。

 いまの経済運営で必要なのは、政府と中央銀行がマネーを潤沢に供給し続けることだ。

 このためには、緊急融資、納税猶予、現金支給 などの方法がある。

 前回(2020年4月16日『いまは「異常時」政府・日銀はマネーの出し惜しみをすべきでない』)このように述べた。

 このために必要な資金は、年度内であれば、中央銀行が政府の短期国債を直接に引き受けることによって調達できる。日本では、年度をこえても、国会の議決があればできる。

 イギリスは、実際に、国債の中央銀行引き受け という非常手段を実行しようとしている。日本もためらうべきではない。

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