新・マネーの魔術史:未来篇 (31)

「コロナ期」と「コロナ後」の経済運営

執筆者:野口悠紀雄 2020年4月23日
エリア: アジア
リブラ公式HPより

「コロナ期」には、巨額の財政支出を行って、民間経済を支える必要がある。

 それによって増大する財政赤字を、「コロナ後」に処理する必要がある。

 コロナ財政は戦時財政と似た面があるが、マクロ経済環境が異なるので、「コロナ後」にインフレが生じる可能性は低いだろう。

いま必要なのは「繋ぎ」

 現在の経済の基本的状況は、経済活動のかなりを半強制的に止めたということだ。しかし、その間、生活は続けなければならない。これを両立させるためには、家計と企業が支払い手段(マネー)を持ち続けることが必要だ。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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