新・マネーの魔術史:未来篇 (30)

いまは「異常時」政府・日銀はマネーの出し惜しみをすべきでない

執筆者:野口悠紀雄 2020年4月16日
エリア: アジア
リブラ公式HPより
 

 いま必要とされているのは、支払いのための「マネー」の供給。このためには、緊急融資、納税猶予、現金支給などの方法がある。

 イギリスは、国債の中央銀行引き受けという非常手段でこれを実行しようとしている。日本もためらうべきではない。

いま必要なのは「利益」ではなく「マネー」

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、営業自粛が要請されている。すると、売り上げが急減するので、支払いができない場合が発生する。

 支払いに必要なのは、「マネー」だ。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top