「コロナ財政」のメカニズムと資源配分への影響

執筆者:野口悠紀雄2020年5月14日

リブラ公式HPより

 

 財政支出が増えても、日本銀行が購入すれば、金利上昇を招くことはない。

 日銀は、当座預金の残高を増やすという帳簿上の操作だけで国債を購入できるので、いくらでも購入できるのだ。これこそ「マネーの魔術」の神髄だ。

コロナ対策で膨張する財政支出を国債で賄っていいのか?

「新型コロナウイルス」に対処するため、さまざまな施策が講じられ、その結果、財政支出が増大している。

 緊急事態宣言期間が延長されたことに伴い、今後も財政支出に対する要求が増加する可能性が高い。

 これを賄う財源としては、国債増発以外には考えられない。

 政府政策に対する要請は極めて大きいので、財政支出は止めどもなく増加する危険がある。

 では、このような際限ない財政支出の増加を、国債増発によって賄うことができるのだろうか?

 第32回(『日銀「国債購入増」で「マネー増」でもインフレにはならない』)では、こうしたことを行ってもよいと述べた。

 しかしそんなことをしたら、財政だけでなく経済が崩壊してしまうと考える人も多いだろう。

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