新・マネーの魔術史:未来篇 (33)

「コロナ財政」のメカニズムと資源配分への影響

執筆者:野口悠紀雄 2020年5月14日
エリア: アジア

リブラ公式HPより

 

 財政支出が増えても、日本銀行が購入すれば、金利上昇を招くことはない。

 日銀は、当座預金の残高を増やすという帳簿上の操作だけで国債を購入できるので、いくらでも購入できるのだ。これこそ「マネーの魔術」の神髄だ。

コロナ対策で膨張する財政支出を国債で賄っていいのか?

「新型コロナウイルス」に対処するため、さまざまな施策が講じられ、その結果、財政支出が増大している。

 緊急事態宣言期間が延長されたことに伴い、今後も財政支出に対する要求が増加する可能性が高い。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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