「ワナクライ」以降、身代金として仮想通貨を要求するランサムウエア攻撃が激増した(2017年撮影) ⓒ時事

 全米を震撼させたパイプラインへのサーバー攻撃。米コロニアル・パイプラインが運営する燃料パイプラインが5月初旬に、ロシアまたは東欧を拠点にするとされる犯罪集団「ダークサイド(DarkSide)」によるランサムウエア(身代金ウイルス)攻撃を受け、燃料供給がストップした。コロニアル社はシステム復旧のために、440万ドル(約4億8000万円)相当の身代金を支払ったとされる。

 440万ドル相当と「相当」の2字を記したのはほかでもない。ドルなどの現金ではなく、暗号資産(仮想通貨)のビットコインでの支払い要求だったからだ。100万ドルならぬ440万ドルを取り返せ。それから1カ月たった6月7日、米司法省は犯行グループに支払われた身代金の大半を奪還したと発表した。

 会見には米連邦捜査局(FBI)幹部も同席した。ビットコインの取引履歴から、コロニアル社の身代金支払いに使われた63.7ビットコイン(約230万ドル相当)が特定のアドレス(ネット上の住所)に送金されたことを突き止め、差し押さえたという。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。