自らの治世で「社会主義強国」を達成できるか[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 北朝鮮は今年1月の第8回朝鮮労働党大会で党規約を改正した。

 その規約改正の大きな特徴が、党総書記の「代理人」として、「党第1書記」というポストを設置したことと、「全国的な範囲で民族解放民主主義革命の課業を遂行」という文言を削除したことにある。

今回の規約改正はこの2点以外にも多くの条文を修正した。それは金正恩(キム・ジョンウン)政権が執権10年を経て、北朝鮮における憲法よりも重要な党規約を「金正恩時代の規約」に修正したということだ。

 党規約改正は、この10年間の北朝鮮の変化を反映させると同時に、金正恩政権の志向する方向性を示すものといえる。先述の2点以外の重要な党規約の変更点についても報告したい。

韓国左派勢力にも影響?

 上記2点については、『北朝鮮「党第1書記」新設の意味と「赤化統一路線」放棄の理由』(2021年6月7日)で報告した。

ここで筆者は、北朝鮮が当面の目的を「全国的な範囲で民族解放民主主義革命の課業を遂行」から「社会の自主的で民主主義的な発展を実現する」に変更したことは、赤化統一路線を放棄して「2つの朝鮮」へ向かう重要な変化ではないか、と指摘した。

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