7月26日に公表された、中国・新疆ウイグル自治区に建設中の核ミサイル用地下発射施設[2021 Planet Labs, Inc.](C)AFP=時事

 これまで「最小限の核抑止力」という控え目な核戦略を掲げてきた中国。過去数十年は、地上の固定基地に実戦配備する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を総数20基程度に抑えてきた。

 その戦略を、中国共産党が創設100周年を迎えた今年になって突然転換し、一挙に10倍以上の推定約250基に劇的に増強させつつあることが明らかになった。

 民間の人工衛星が撮影した中国の3カ所のICBM基地の写真を、2つの米民間研究機関の専門家が分析した結果、判明したのである。米政府情報機関もこのインテリジェンスを得ている。中国側はまだ公式に確認していないが、米国では中国のこうした核戦略転換の意図をめぐって議論が起きている。

米戦略軍司令官も「息をのむ」と驚く

 米戦略核戦力を一元運用する戦略軍司令部(STRATCOM)のチャールズ・リチャード司令官は、4月の議会証言などで、中国は「息をのむほどの爆発的増強をしている」と驚きを表明した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。