歴史決議の採択を中国メディアは異例の扱いで大きく報じた ⓒAFP=時事

 中国共産党の重要な会議である6中全会(第19期中央委員会第6回全体会議)が11月11日に終わった。この会議、とりわけそこで採択された歴史決議(「党の百年奮闘の重要な成果と歴史的経験に関する中共中央決議」)は、中国のこれからにどのような意味を持つのだろうか。「習近平の中国」の今後のガバナンスに焦点を当てて、考察してみたい。

波瀾を避ける道は「死ぬまで影響力を及ぼす」こと

 習近平は、2007年の第17回党大会において、平の中央委員から政治局を飛び越して党の最高指導部である政治局常務委員会入りを果たした。しかも翌年、国家副主席に就任し、次の総書記就任をほぼ確実にしたと見られていた。ところが12年の第18回党大会を前に、習近平の総書記就任を阻む動きがあり、それがその後の薄熙来周永康令計画の排除となった。共産党は分裂の危機に直面していたのだ。江沢民と胡錦濤の、20年以上にわたる積み重ねで出来上がった最高指導者の交代のレジームが存在していたにもかかわらず、このように揉め、党は大きく動揺した。その交代のレジームを習近平は反故にしてしまった。習近平後の指導者移行は、波瀾含みとならざるを得ない。これを避ける道はある。毛沢東や鄧小平のようなドンとなり、死ぬまで影響力を及ぼすことだ。習近平の動きは、ここに向かっているようにも見える。

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