みずほ新体制に囁かれる孫正義氏との「蜜月の終わり」

IN-DEPTH【ニュースの深層】

2022年1月27日
英アーム売却計画の頓挫でソフトバンクグループの資金繰りが厳しくなるのは確実(孫正義・SBG会長兼社長)   ©︎時事

   多発するシステム障害により引責辞任を決めた坂井辰史社長の後を受け、巨艦・みずほフィナンシャルグループ(FG)の舵取りを任されたのは、56歳の木原正裕執行役。メガバンク初の平成入行組トップである。

 岸田文雄総理の側近で、経済政策を担当する財務省出身の木原誠二内閣官房副長官の実兄であること以外、話題も実績もなく、手腕は未知数。だが、新トップの力量が早々に試される局面に追い込まれそうだ。

 それが、孫正義氏率いるソフトバンクグループ(SBG)との関係である。同社はみずほ銀行がメインバンクを務め、みずほFGにとっての最重要取引先である。「みずほの大企業取引収益はソフトバンク頼み。同社とのビジネスがなければ、大企業部門はほぼ赤字」(みずほ幹部)とさえ言われる。

 アジアや欧米でアグレッシブに投資を続けるSBGは、借り入れが桁外れにでかい。同社の連結有利子負債は21年9月末時点で21兆1000億円。国内企業ではトヨタ自動車に次ぐ規模である。銀行からの借り入れだけでなく社債発行の意欲も旺盛なため、SBGとの取引は、みずほを筆頭に国内3メガバンクグループ、さらには手数料欲しさの外資系金融機関からも垂涎の的なのだ。

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