世界最大級のLNG輸出国となったアメリカは高い供給柔軟性を保持している(「キャメロンLNG」の施設に停泊する三井物産のLNG運搬船=2019年、ルイジアナ州ハックベリー)  ©︎時事

 ロシアがウクライナ国境近くに大規模な軍を展開し圧力を高めていることから、ロシアとウクライナの間の、そしてウクライナを支援する欧米との間の緊張が大きく高まっている。ロシアによるウクライナ軍事侵攻があるのではないか、との深刻な懸念も生まれ、侵攻を抑止し、軍事衝突発生を回避するための外交的取り組みも欧米とロシアの間を中心に活発に行われている。米ロ首脳間、あるいは外交トップの間なども含め様々なチャネルで対話・意見交換が実施されているが、現時点では事態打開の糸口は見えていない。

 NATO(北大西洋条約機構)の東方不拡大の法的保証を求めているウラジーミル・プーチン大統領は、米欧からの回答に対して、「ロシアの根本的懸念が無視されている」との趣旨の発言を行い、不満を表明している。その後も、問題解決に向けた対話のチャネルが閉ざされたわけではないが、事態は膠着状態にあり、軍事侵攻の可能性も含め、ウクライナ情勢は高い緊張が続いている。

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