ペルシャ湾に位置する南パルス天然ガス田=2015年11月 (c)REUTERS/Raheb Homavandi/TIMA

[ロンドン発ロイター]イラン核合意再建交渉が成立すれば、石油輸出への制裁解除につながる可能性がある。ただしイラン産原油が市場に出回るには数カ月かかる可能性があり、しかも、石油需要が高まる中でイランの増産は一時的な気休めでしかない恐れもあるとアナリストは分析する。

 3月はじめ、ウクライナ侵攻を理由に西側諸国がロシアに制裁を科したことで、原油価格は10年ぶりの高値である1バレル120ドル近くまで高騰した。イラン核合意の再建が数日のうちに発表されれば、原油価格の高騰に歯止めがかかるのではないかとの希望は潰えた。この時、大臣級会合が予定されたことから、イラン核合意再建交渉は佳境を迎えるものと目されていた。

 しかし、仮に3月半ばに合意ができたとしても、制裁解除には合意遵守の検証が必要となる。イラン産原油が市場に出回るのは早くても5月か6月になるとアナリストらの多くは見通している。実際、2015年の核合意時には、国連監視団がイランの核関連施設の検証を終え、イランへの制裁を解除するまでに6カ月かかった。また世界の石油精製施設の大半は、この数年イラン産石油を避けてきたため、受け入れ再開には技術面での調整にも2、3カ月を必要とする。

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