(5月12日)  (C)時事

“魔法の杖”だったアリババ株が右肩下がり

「世界は混沌とした状態。ソフトバンクは『守り』が取るべき行動」

   SBGの孫正義会長兼社長は5月12日の決算会見で、新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻、原油価格高騰など世界的なインフレ、株式市場の下落を踏まえ、「1~2年間」は保守的な投資姿勢をとる方針を示した。起業家として「攻め」の経営で事業を拡大してきた孫氏がそう口にせざるを得ないほど、SBGの業績悪化は深刻だ。

 投資事業の中核に位置付けるSVFの累計損益は、2021年12月期の6兆円余りの利益から半減している。地域別では、中国が累計で2500億円の赤字に転落した。

   その結果、SBGが経営指標として最重視する「NAV(時価純資産=SBGの投資先の株式価値から単体純有利子負債を差し引いて算出)」は18兆5000億円と、21年12月期から8000億円減。前期の最高益を支えた投資先の新規上場企業は、韓国「クーパン」など上場後最高値から直近に5分の1まで株価が下落したものもある。過去最高だった2020年9月期のNAV27兆3000億円から10兆円近く消し飛んだことになる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。