孫正義伝説を作った「タイムマシン経営」の黄昏?――ソフトバンク「300年成長神話」の危急存亡(3)

[連続企画]

執筆者:後藤逸郎 2022年5月16日
(5月12日)  (C)時事
日本企業の過去最高益を記録した前期から一転、2022年3月期決算は1兆7080億円の赤字に転落した。同社として過去最大、日本企業全体でも過去2番目の赤字額で、投資損失は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)だけでも3兆7000億円に上る。ソフトバンクグループ(SBG)は投資資金と借入金の抑制など保守的な経営を強いられる。(こちらの第2部『「投資家・孫正義」を疑う市場』から続きます)

“魔法の杖”だったアリババ株が右肩下がり

「世界は混沌とした状態。ソフトバンクは『守り』が取るべき行動」

   SBGの孫正義会長兼社長は5月12日の決算会見で、新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻、原油価格高騰など世界的なインフレ、株式市場の下落を踏まえ、「1~2年間」は保守的な投資姿勢をとる方針を示した。起業家として「攻め」の経営で事業を拡大してきた孫氏がそう口にせざるを得ないほど、SBGの業績悪化は深刻だ。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
後藤逸郎(ごとういつろう) 1965年富山県生まれ。ジャーナリスト。金沢大学法学部卒業後、1990年毎日新聞社入社。姫路支局、和歌山支局、大阪本社経済部、東京本社経済部、大阪本社経済部次長、週刊エコノミスト編集次長、特別報道グループ編集委員、地方部エリア編集委員などを経てフリーランスに。著書に『オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側』『亡国の東京オリンピック』がある。
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