戦意高揚を促すポスターが至る所に貼られている(筆者撮影、以下も)

   ウクライナ西部リビウに、戦時下の様子を取材するため、5月初めに行った。滞在したのは5月1日、2日の2日間だったが、一見落ち着いた表情の奥にある危険や不安を感じ取ることができた。

   1日は快晴の日曜日だったこともあろうが、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているリビウの旧市街地には大勢の人が行き来し、屋外のテラスではビールやコーヒーを飲む客で席が埋まっていた。人出だけで見れば、戦争開始前とほとんど変わらない程度まで回復したという。

   戦争当事国であることを忘れさせる光景だったが、この日の朝、リビウの街を歩き始めて早々、戦時下の緊張を身をもって体験することになった。写真撮影を見とがめられて、軍、警察に一時拘束されたのである。

旧市街地には平穏にも見える光景が戻っていた

ミサイル攻撃の現場で

   4月18日にあった鉄道駅近くのロシアによるミサイル攻撃の現場を見ようと、捜し歩いていた途中で、橋の上から鉄道線路を見下ろせる場所があったので一枚撮影した。周囲を注意したつもりだったが甘かった。橋のたもとで3人組の男たちが待っていた。

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