ウクライナ・リビウの平穏な日常に隠れた危険と不安

執筆者:三好範英 2022年5月19日
エリア: ヨーロッパ
戦意高揚を促すポスターが至る所に貼られている(筆者撮影、以下も)
5月初旬のウクライナ西部リビウには一見では穏やかな光景が広がっていた。しかし街を歩けば、ここもミサイル攻撃に晒された戦争当事国なのだとすぐさま明確に思い知る。極度に悪化した経済状況や将来への不安が、人々の命の危険の上に日々積み重なって行く。

   ウクライナ西部リビウに、戦時下の様子を取材するため、5月初めに行った。滞在したのは5月1日、2日の2日間だったが、一見落ち着いた表情の奥にある危険や不安を感じ取ることができた。

   1日は快晴の日曜日だったこともあろうが、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録されているリビウの旧市街地には大勢の人が行き来し、屋外のテラスではビールやコーヒーを飲む客で席が埋まっていた。人出だけで見れば、戦争開始前とほとんど変わらない程度まで回復したという。

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カテゴリ: 軍事・防衛 政治
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執筆者プロフィール
三好範英(みよしのりひで) 1959年東京都生まれ。ジャーナリスト。東京大学教養学部相関社会科学分科卒業後、1982年読売新聞社入社。バンコク、プノンペン特派員、ベルリン特派員、編集委員を歴任。著書に『本音化するヨーロッパ 裏切られた統合の理想』(幻冬舎新書)、『メルケルと右傾化するドイツ』(光文社新書)、『ドイツリスク 「夢見る政治」が引き起こす混乱』(光文社新書、第25回山本七平賞特別賞を受賞)など。
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