Weekly北朝鮮『労働新聞』
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「祖国解放」80年を前に金正恩の動静なき1週間(2025年8月3日~8月9日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年8月12日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
元山葛麻海岸観光地区のプールで遊ぶ子供たち。写真は7月のオープン時のものだが、同リゾート地区についてはたびたび報じられている[2025年7月2日、北朝鮮・元山](C)AFP=時事
8月3~9日の1週間は金正恩の動静を伝える記事が1本も載らなかった。元山葛麻海岸観光地区をはじめ、北朝鮮各地のビーチやプールなどで遊ぶ人々の様子が報じられ、「資本主義が真似することができないわれわれの生活美」を誇示した。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の動静報道がないばかりか、対外談話の発表なども見られず、落ち着いた1週間であったが、8月15日に「祖国解放」80周年を控えているため、全体としては「革命の1世」「革命の第一世代」といった用語が目立った。

 8月3日付第6面には、「愛国を人生で最も価値が高い栄誉として大切にして:とある総連1世同胞についての話」と題する記事が掲載された。大阪に生きる一人の在日朝鮮人の人生に焦点を当てたもので、彼は祖国が「解放」されたおかげで生き甲斐を得たという。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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