福田達夫氏[写真]の父、福田康夫元首相は政界きっての親中派として知られる (C)新潮社

 

 9月上旬に予定される内閣改造で、福田達夫自民党総務会長(55)が入閣し、防衛大臣に起用されるとの情報が永田町で流れている。任命されるなら、月刊『文藝春秋』(2022年2月号)の政治専門家アンケート、「5年後の総理候補」ランキングでトップになった福田氏にとって初入閣で、正念場となる。

 党三役では、高市早苗政調会長も退陣し、茂木敏充幹事長だけが留任の見通しだ。

 体調不良で歩行が困難な岸信夫防衛相は退任する。実兄の安倍晋三元首相は岸田文雄首相に岸氏の続投か別の閣僚への横滑りを頼んでいたというが、安倍氏が凶弾に倒れたことで、岸田首相が人事でフリーハンドを握った。

 次の防衛相は、年末に控えた国家安全保障戦略の見直しや防衛予算倍増計画を控え、政治力を問われる難しいポストだ。

 福田氏の祖父は福田赳夫元首相、父は福田康夫元首相という名門出身だ。慶応大学卒業後、米国留学を経て三菱商事に勤務した元商社マンであり、父の私設秘書を経て、2012年初当選。2017-18年には防衛大臣政務官を務めた。明治以降、親子で総理を輩出したのは福田家だけで、達夫氏が将来総理になれば、親子孫3代の首相という史上空前の記録となる。

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