【Analysis】アルカイダ「ザワヒリ後継者」が重要ではない理由
2022年8月14日
[ドバイ/バグダッド発(ロイター)]7月31日、アメリカの空対地ミサイル「ヘルファイア」によってアイマン・アル・ザワヒリが殺害されたことはアルカイダにとって大きな打撃だが、既に広範囲に広がったアルカイダの関連組織はそれぞれ戦術的に独立しており、現地の対抗勢力や西側諸国を標的とした攻撃が収束することはない、と専門家は見る。
創設者のオサマ・ビン・ラディンが2011年にアメリカの攻撃で殺害されて以降、アルカイダはザワヒリの指揮の下、しばしばIS(「イスラム国」)に劣勢を強いられてきた。とりわけISが「カリフ制国家」と呼ぶものに惹きつけられた若いジハード(聖戦)主義者の間で、その劣勢は顕著だった。
心が狭く、柔軟性に欠け、人望がないと言われるザワヒリが、南アジアの秘密拠点から志を同じくする世界各地のグループとの関係を築いたビン・ラディンに敵うことはなかった。
とはいえ、経験豊富なアルカイダの古参幹部として定期的にオンラインで仲間に呼びかけを行ってきたザワヒリは、アルカイダが世界的な野望を捨てていないことを示す意味で重要な存在だった、と専門家は言う。
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