10月4日、北朝鮮が発射した中距離弾道ミサイルは日本列島上空を通過して太平洋に落下した。その様子をモニターで確認する金正恩党総書記(写真)[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は党創建記念日の10月10日、北朝鮮が9月25日から10月9日まで7回にわたって行ったミサイル発射は「戦術核運用部隊」の軍事訓練だった、と報じた。

 北朝鮮は、一連のミサイル発射は、米韓ならびに日米韓合同軍事訓練や米原子力空母「ロナルド・レーガン」の朝鮮半島周辺への配備など、米国・米韓・日米韓の軍事的対応への警告だとしている。だが浮かび上がってくるのは、北朝鮮が韓国や日本などを攻撃目標にした「戦術核兵器」の運用を、長期的な計画に基づいて着実に推し進めている現実だ。

 北朝鮮はさらに、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の指導のもとで、10月12日に長距離戦略巡航ミサイルの発射実験を、そして10月13日夜から14日午後にかけて、軍事境界線周辺での戦闘機による威嚇飛行、海上への砲撃、弾道ミサイル発射、再び海上への砲撃と軍事挑発を続けた。

 韓国と北朝鮮は2018年9月の南北首脳会談に際し、軍事的緊張緩和のための「9・19軍事合意」を発表しているが、これが事実上無視された形になり、南北関係は危機に直面している。

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