合成燃料は現在のエンジン車に使用でき、また既存の物流網で輸送もできる点がメリットだ (C)REUTERS/Fabrizio Bensch

[ベルリン/ブリュッセル発(ロイター)] 二酸化炭素(CO2)を排出する自動車の販売を2035年に全面終了させるという欧州連合(EU)の方針に、ドイツが土壇場で待ったをかけた。合成燃料(e-fuel/イーフューエル)で走行する車両に限り、それ以降も内燃機関(ICE)を搭載した新車の販売を許可するよう求めたのだ。

*編集部注:EUは3月28日、エネルギー相理事会でドイツ政府の要求を踏まえて方針を修正した。

 EUは合成燃料限定で2035年以降もエンジン車の新車販売を容認する。

 まずは基礎的な知識から踏まえていこう。

合成燃料とは?

 e-ケロシン、e-メタン、e-メタノールなどの合成燃料は、工場などで排出されたCO2を回収し、再生可能エネルギーで生み出すグリーン水素と合成して製造する。

 合成燃料も、エンジンで使用すればCO2を排出する。ただし、その排出CO2は燃料を生産するために回収したCO2と相殺され、トータルで見ればカーボンニュートラルになるという理屈だ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。