ルノーと「EV知財で妥協」「対等出資で合意」、日産は損して得を取れたのか

IN-DEPTH【ニュースの深層】

2023年2月13日
タグ: マネジメント
エリア: アジア
ルノーが販売するEVは日産の技術が支えてきた[2023年2月6日、ロンドンでインタビューを受ける日産の内田誠CEO](C)AFP=時事
EV(電気自動車)新会社に是が非でも日産の技術が欲しかったルノーと、1999年以来の歪な資本関係を是が非でも解消したかった日産。対等出資は実現に向かうが、“虎の子”の経営資源が交渉の道具になった側面も。

 日産自動車が仏ルノーとの“不平等条約”解消に漕ぎつけた。1999年、ルノーが倒産寸前だった日産の筆頭株主となって以来、事業規模で上回る日産がルノーの支配下に置かれる歪な構図が続いてきた。それは日産の業績回復後も変わらず、逆にルノーが不振に陥ると日産が高い配当で支える形になった。

 日産が保有するルノー株式にはフランスの会社法の規定で議決権がない。2019年ごろには、仏政府がルノーと日産の経営統合を画策したこともある。ルノーは日産株の43%、日産はルノー株15%持ち合ってきたが、これを双方15%出資する形に持ち込めたのは、まさに悲願達成と言っていい。ルノーに対する15%分の議決権も手に入れる。

   だが、大方の祝福ムードとは裏腹に、日産にとってよいことばかりではないとの指摘もある。日産は一連の交渉の過程で、EV関連技術という“虎の子”の経営資源を犠牲にしたとも言えるからだ。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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