米議会の保守とリベラルのスタンスは「暗号資産は禁止すべきではない」という点で一致している。しかし、一致しているのはその点だけだ[2023年6月15日、ニューヨークのマンハッタン連邦裁判所に出廷するFTX創設者のバンクマンフリード氏](C)AFP=時事/GETTY IMAGES NORTH AMERICA

 米暗号資産業界の危機が続いている。2022年には価値の暴落を皮切りに、暗号資産取引所FTXが百数十億ドル顧客資金を分別管理せずに流用の末、11月に経営が破綻。6月末現在で説明できない87億ドル(約1兆25000億円)の不足が生じていることが明らかになった。FTXを率いていた時代の寵児であるサム・バンクマンフリード氏は、詐欺・資金洗浄などの罪で起訴された。

 これらの余波で、他の暗号資産業者が米地域銀行のシグネチャー・バンクとシルバーゲート銀行に預けていた巨額の預金の多くが引き出され、両行は2023年3月に清算された。銀行破綻の直接的な原因ではなかったものの、暗号資産が米国の金融システムや実体経済に及ぼすトリガー的な影響力が、潜在的に重大であることが示されたと言える。

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