[ロイター]暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXの創業者サム・バンクマン=フリード被告(30)は1月3日、320億ドルの暗号資産帝国の崩壊につながった詐欺などの容疑について、米マンハッタンの連邦裁判所で無罪を主張した。今後、検察側と弁護側は大量の証拠を選り分ける準備に入る。
■次の展開は?
ディスカバリー(証拠開示)と呼ばれる手続きに基づき、政府がバンクマン=フリード氏の弁護士に文書や証拠を提供することになる。検察側は4日、現時点で数十万件の文書を保有しており、証拠収集を続ける中でさらに増えるだろうと述べた。どの証拠を弁護側が裁判に先立って見られるようにするのかについて争いが生じた場合、ディスカバリーには数カ月かかることがある。文書には、電子メールから銀行明細書、FTXの内部データまで、あらゆるものが含まれる。
■捜査は継続中?
継続中だ。マンハッタン連邦検事のダミアン・ウィリアムズは、今後も捜査に進展があれば事務所が発表を続けると述べている。昨年12月には、FTXの関連会社であるアラメダ・リサーチのキャロライン・エリソン元最高経営責任者(CEO)とFTXのゲイリー・ワン元最高技術責任者(CTO)が投資家への詐欺行為を認め、検察に協力することに同意したと明らかにした。ウィリアムズは、FTX社の破綻に関する情報を持つ内部関係者がいれば、名乗り出るよう強く求めている。
■裁判はいつ行われる?
ルイス・カプラン連邦地裁判事は公判期日を10月2日に設定したが、新たな法的問題や証拠が浮上した場合、公判日程が延期されることもある。陪審員が起訴/不起訴を決定する予備審問は非常に重要で、双方が陪審員に提示する証拠や法的主張をめぐって争う。現時点では、公判の大幅な延期は予想されていないが、法律の専門家によれば、類似の事件で予備審問まで1年以上かかったケースもある。
■バンクマン=フリードが裁判を受けるのは確実なのか?
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