政治をゼロから考える (13)

参議院は何のためにあるのか

執筆者:宇野重規 2013年1月15日
エリア: アジア

質問 「参議院は何のために存在するのですか」

 

 今夏には参議院選が予定されています。多くの人が指摘しているように、昨年末の総選挙はそれ自体では完結していません。新政権は参院選に勝利してはじめて、衆参両院で多数派の基盤をもつ安定政権となります。それまでに政権が迷走すれば、参院選できびしい審判が下る可能性も否定できないでしょう。

 それにしても、参議院とは何のためにあるのでしょうか。しばしば、国会における立法を慎重なものにし、内閣と一体化した衆議院の暴走を防ぐ役割があると指摘されます。要するに、参議院に期待されているのは、ある種のチェック機能であるというわけです。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
宇野重規(うのしげき) 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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